2013年11月22日金曜日

私とMARIAと梅本泉

 私にとって、「MARIA」は特別な曲である。初期のこのブログでも書いた通り、私が48Gにハマるきっかけとなったのは増田有華の「Stargazer」だった訳だが、そこから「増田有華」で検索して、最初に辿り着いた動画の中で歌っていた曲の一つが「MARIA」だった。彼女自身の歌声自体が魅力的だったのは言うまでもないが、それと同時に「MARIA」そのものの持つ魅力もまた、私の人生を狂わせた大きな要因だった。アニソン的なメロディ&歌詞がもたらす高揚感と、それを彩る漆黒のゴシック衣装、そして不思議な長さのスティックマイクを使った独特の振り付け、何もかもが完璧すぎて、ただただひたすら呆然とその映像に魅了されてしまった。「え? なに? AKBって、こんなカッコいいことやってる人達なの?」という、日頃の音楽番組で流れる彼女達のヒット曲とのあまりのギャップに、一発でKOされてしまったのである。
 それから色々な動画を見て回った訳だが、やがて私は「AKBという企画そのものが持つ最大の魅力」は「同じ楽曲を色々なメンバーが歌うこと」にある、ということに気付く。たとえば、「てもでもの涙」に関しても、総合的に見て本家が最強という点について私は何の異論もないが、それぞれのカバーバージョン(金ちゃん&中村くん、JR、優子サド、渚・智恵理、なつまど、etc.)にも独特の味があり、それらを聞き比べることで、より一層、それぞれのバージョンの持つ魅力が際立っていく。少なくとも、女性アイドルでこんなことが可能なグループは、他にはないだろう。
 しかし、「MARIA」に関しては6年連続でリクアワ圏内(しかも2013年までは毎年50位以内)の人気曲にも関わらず、これまでコンサートなどで誰かがカバーしたことは殆どない。ツインタワーの歌劇団バージョンを除けば、たかみな&ゆいはんだけでではなかろうか。これは、同時代の人気曲である「Blue Rose」や「Bird」と比べても、明らかに異例である。それだけ「センター:増田有華」の存在感が強すぎて、よほど歌唱力に定評のあるメンバーでなければ歌いこなせない楽曲、という位置付けだったのだろう。脳パラが6年以上どのチームもカバー出来なかった要因の一つには、この曲をカバーすることの難しさにあったのではないか、と私に妄想させるくらい、この楽曲は「増田有華専用神曲」として、一種の「聖域」に近い扱いだったのである。
 そんな中、博多研が脳パラをカバーすることをDMM中継で知った時、私は「MARIAのセンターは、なおぽんに違いない」と確信していた。歌唱力的にはみなぞうでも良いのだが、身長的に彼女はどうしても君ペガで使いたい。そうなると、二期生の中では圧倒的な歌唱力の持ち主であり、総選挙速報での大健闘によってメロン選抜にも選ばれた彼女に「実力派ポジ」としてのMARIAセンターの座が与えられるのが当然の流れだろう、と思っていたのである。
 無論、ちぃず推しとしては、「ちぃずセンターのMARIAが見たい」というのが本音ではあったが、今の彼女では、人気でも実力でも、なおぽんに勝てないことは分かっていた。だから、それならせめて(身長的には厳しいかもしれないが)君ペガの一角を任される事になればいいな、というのが、私の願望であった(MARIAの梅ちゃんポジでも良いんだが、なんとなく、それよりも君ペガの青or赤の方が似合いそうに思えた)。
 ところが、実際にMARIAのセンターに選ばれたのは、なおぽんではなく、おかぱんだった。正直、最初にそのことを知った時は「結局、ユニットセンターも(実力や曲のイメージとの合致性ではなく)人気順なのか……」と少し落胆したのだが、しかし、一つ前の日記でも書いた通り、実際にDMMで見てみると、おかぱんのセンターも、それはそれで悪くなかった。実際のところ、なおぽんやみなぞうでも、増田パートを歌わせれば、絶対に「見劣り」することは明白である以上、むしろ「クォリティなど知ったことか」とばかりにKY全開で暴れ回るおかぱんの方が、この「聖域」に踏み込む新世代の旗手には相応しいのかもしれない。そう納得させられるくらい、彼女の必要以上の全力ダンスには(最初は一瞬だけ拒絶感を抱いたものの)私のようなゆったん信者を黙らせる圧倒的な存在感があった。
 だが、その全力ダンスが災いしたのか、おかぱんが二日目にして腰を痛めるという、まさかのハプニングに見舞われてしまう。そこで白羽の矢が立ったのが、ちぃずだった。一晩で振りを覚えた急造アンダーと言われているが、おかぱんのぐぐたすには「ちぃずがハーモニカとユニット曲だけでも元々覚えててくれてて運が良かった」と書いてあるので、もともと、MARIAセンターの候補者の一人ではあったのだろうと推測される。というか、おそらく、おかぱん不在時にアンダーで入れる予定だったのだろうが、いきなり複数ポジション覚えさせるのは(パジャドラの都合もあって)難しいと考えて、全体曲のフリを覚えるのはまだもう少し先でいい、と運営も考えていたのだろう(あるいは、途中で方針転換して別の人におかぱんアンダーを任せる予定だったが、昨日はそのメンバーの予定がどうしても合わなかった?)。
 いずれにせよ、予想外のタイミングで実現することになった「ちぃずMARIA」であるが、推し補正抜きに聞いても、明らかに歌唱力が前よりも格段に上がっていることが分かる。正直、Partyの時は最低音が使いこなせていない印象があったが、ボイトレの成果が出たのか、全体的に声のトーンが安定して、彼女の最大の魅力である「響く低音」が、より一層深く心に染み渡る。というか、ゆったんバージョンを何百回も聞いてきた身だからこそ言わせてもらうが、声質的には間違いなく、ちぃずバージョンが一番本家に近い。それ故に、高音になった時の微妙な粗が目立ってしまうのも事実なのだが、それにしても、この一年間の彼女の成長っぷりは凄まじい。もともと、彼女の声に「伸び代」を感じたからこそ、ここまで応援を続けてきたのではあるが、正直、こんな短期間でここまでレベルアップされるとは、全くもって予想外だった。
 おそらく、おかぱんは(ウインク選抜にも入っているので)今後も運営推されが続くことが予想される以上、仮に彼女の怪我がすぐに回復したとしても、今後も彼女が不在の公演は増えるだろう。そうなると、当然、ちぃずがMARIAセンターを任される機会もどんどん増えることになる。そう考えると、私の中での脳パラ公演の存在価値が、格段に高まってきた。別に、くるくるぱーという曲が嫌いな訳ではないけど、やっぱり、ちぃずの本領が発揮出来るのは「こっち系」だということを多くの人達に理解してもらうためにも、これから先も訪れるであろうアンダーの機会でも、(怪我をしない程度に)全力で悔いの残らないパフォーマンスを期待したい。

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