2013年9月3日火曜日

ちぃずの仲間達4:後藤泉〜センス溢れる若き団地妻〜

 48グループには同名メンバーが多いが(特に「はるか」「なつみ」「さやか」etc.)、「泉」という名のメンバーは、歴代でも二人しかいない。それが同じグループの同期で、しかも同学年というのが、なんとも運命的な巡り合わせである。そして、それがたまたま「二期生最長身」と「HKT最小」という組み合わせだったからこそ、「ちぃず」という名も生まれたと言える(ちなみに、誕生日的にはちぃずの方が月上というのが面白い)。その意味でも、ちぃずを語る上で、「後藤泉(いーちゃん)」の存在意義は極めて重要である。
 この二人、当初はセットで売り出す計画もあったようで、『あるY』にも二人一緒に出演している。なお、二人とも出演はこの一回のみだったのだが、その唯一の回でニックネームを付けてもらえたのは、ちぃずの方だった。つまり、少なくともこの時点では、明確に運営はちぃずの方を優先的に推しており(そのことは劇場公演の立ち位置からも明白)、その意味で、この時点でのいーちゃんは「もう一人の泉」「梅本じゃない方」扱いだったことが伺える(しかし、この番組内でもいーちゃんは既に、その持ち前のバラエティ・センスの片鱗は十分に発揮していた)。
 ところが、ここ数ヶ月の間で、いーちゃんの存在感が急速に増してきた来た。もともと、ルックス的には二期生の中でも明らかに「美人」の部類であるため、ネット上でのコアなファンはいたようだが、本格的なブレイクの兆しとなったのは、『おでかけ』でのまさかの「おでセン」大抜擢と、『トンコツ』での「デヴィ夫人選抜」選出であろう。それまで東京では全く無名に近かった彼女を推す声が、この二つの番組出演を機に、急浮上し始めたのである。
 と言っても、この彼女の突然の猛プッシュには(トンコツは「高身長メンバーが欲しかった」という事情もあるにせよ)明確な根拠が読み取れる。彼女は当初、劇場公演でも初日メンバーには選ばれないという不遇のスタートを切ったのだが、そこから少しずつ、MCを通じて生まれた「(実年齢以上に貫禄と色気があるという意味での)団地妻キャラ」を生かして、「バラエティで使えるメンバー」としての存在価値をアピールし続けていったのである。村重やちょりのような派手さはないが、その場の空気を読み、他のメンバーと連携しながら「笑い」を生み出すセンスは、明らかに彼女達よりも勝っており、だからこそ「外仕事」を安心して任せられると判断されたのだろう。
 そんな彼女のファンの中での評価の高さは、「めるみお不在のParty公演」が「団地Party(団パ)」と呼ばれていることからも読み取れる。本来、彼女の出演の大半は谷or秋吉ポジである以上、「めるみお不在の公演」の呼称としては、むしろ「ちぃずParty」「じーなParty」「ゆりやParty」などと呼ばれるのが自然であろう。にも拘らず、めるみお不在時ですら後列ポジションの彼女が、「めるみお不在Partyの象徴」として挙げられていること自体、公演内における彼女の存在感の大きさを象徴していると言えよう(無論、この要因として、相方としてのぴーちゃん、そしてプロモーターとしての冨吉の存在が欠かせない訳だが、それについてはまた後日)。
 一般的には、HKTは「若くてフレッシュ」が売りと言われている。しかし、ロリキャラばかり何十人も集めたところで、互いに個性を潰し合うだけである。一期生に「なつまど」という「実年齢よりも年上に見える美人コンビ」がいるように、二期生の中でも、彼女やぴーちゃん、じーな、りこぴといった「長身大人キャラ」は不可欠なのである。みなぞうを含めたこれらの「(実年齢はともかく、見た目が)大人なメンバー」がいるからこそ、年少の中学生メンバー(および中学生にしか見えない社会人一名)のフレッシュさが引き立つのであり、逆にそういった未成熟のメンバー達がいるからこそ、大人びた彼女達の成熟した魅力も、より一層伝わりやすくなると言える。
 運営もこのことに気付いているからこそ、テレビ番組への出演に加えて、明日発売の2ndシングルにおける「泥のメトロノーム」にも抜擢されることになったのだろう。ただ、歌とダンスに関して言えば、彼女は(決して下手ではないのだが)なぜか今ひとつ印象に残らない、というのが正直な印象である。それはポジションの問題もあるかもしれないが、彼女の歌声は(声量はある筈なのに)どこか「乾いた声」に聞こえてしまって、あまり私の心に響いて来ない。「低音の安定感」に関してはちぃず以上なので、彼女もポテンシャル的にはもっと歌が上手くなる才能を持っている筈であり、その点を克服して更なる表現力を身につけることこそが、(既に当確と考えている人も多いようだが)K IV入りに向けての決定打となるのではないか、と私は考えているし、そうなってほしいと強く願っている。

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