2015年7月21日火曜日

ちぃずの仲間達30:木本花音〜「花の世代」のパイオニア〜

 ということで、8ヶ月ぶりのメンバー考察です。本来ならば、まずチームHのメンバーを先に全員書き終えるつもりだったのですが、昨日で花音が「HKTとしての最後の握手会」を終えたということで、今このタイミングで書いておかないと、もう彼女について語れるタイミングが無くなると思い、一念発起して書かせてもらうことにした次第です。

 私はこれまで、色々なところで「花の世代」という言葉を使ってきた。これは「珠理奈世代」の一つ下、すなわち、現在高三の「1997年度生まれ」の人々を指す言葉である。もともと「木本“花”音」と「中村優“花”」を指す言葉として使い始めたのだが、やがてそこに「宮脇咲良(“さくら”)」や「“梅”本泉」が加わることになる。私の中では、花音は常にこの世代のトップランナーだった。今でこそ、総選挙順位では咲良に大きく水を開けられてしまっているし、本店からも小嶋真子や岡田奈々が台頭しつつあるが、それでも私の中では、「1997年度組を代表するメンバーは?」と問われれば、やはり真っ先に思い浮かぶのは花音なのである(それは、ちぃず推しとなった今でも変わらない)。
 と言っても、最初から好印象だった訳ではない。私が最初に彼女を見たのは、「スター姫」で流れていた「マジ女テッペンブルースの栄vs難波バージョン」の映像である。デビュー直後のこの舞台で、まゆゆポジにいきなり抜擢された彼女が、たどたどしく台詞を喋りながらも時間内に言い終えられなかった姿を見た時は「この子、確かにかわいいけど、そこまで特別扱いするほどか?」と思ってしまったし、その後のチームE結成後も、あまりに彼女一人が特別扱いされていることに対して、むしろアンチに近い感覚すら覚えていた(その意味では、栄四期と博多二期は、どこか境遇が似ているようにも思える)。
 そんな私の印象が一新されたのは、マジすか2での「ミソ」である。あのゲキカラを病院ですれ違いざまに刺すという、あまりにもセンセーショナルな役柄で登場した彼女の(ある意味で玲奈以上の)独特の狂気に満ちた演技に、私はすっかり惹き込まれてしまった。そして、その演技力はマジすか3の「なんてね」で更に磨きがかかり、私の中では「玲奈・くーみんと並ぶ栄の演技派」として、確固たる地位を築くに至る。無論、演技だけではなく、劇場公演動画を見ていても、あの小さな身体で全力で踊る姿は爽快であったし、曲に合わせて多彩な表情を見せる器用さもまた、彼女の大きな魅力であることは言うまでもない。
 そんな彼女がHKTと兼任すると聞いた時は、もちろん嬉しかった。移籍や兼任に対しては、正直あまりいい印象を持たない私だが、それでも花音の兼任だけは、心の底から喜べた。おそらく、これは私だけでなく、他の多くの博多派の人々にとって同様だったと思う。彼女が来ることで、選抜枠が一つ減ることになるとしても、それでも彼女のパフォーマンスがHKT劇場でも見られるということが、この上なく魅力的に思えた。もともと、HKTには「花の世代」が多い(さくら、あおい、まどか、植木くん、りーぬ、ちぃず、いーちゃん、トミヨシ、じーな、おかぱん)。しかも、K IVにはそのうち8人が固まっているので、きっとすぐに馴染めるだろう、という期待もあった。あわよくば、博多にそのまま移籍してくれてもいいのに、とすら思っていた(←これでも、元栄推し)。
 しかし、その兼任期間はあっさりと終わってしまった。正直、残念である。何が一番残念だったかと言えば、彼女が一度もパジャドラ公演に出演しないまま終わってしまったことである。もともと、博多ひまわり組は「主力不在時の苦肉の策」として生まれた公演であることを思えば、わざわざ花音に出てもらう必要は無いと言えば無いのだが、それでも、「オリジナル以外で初めてこの公演のセンターを任された先駆者」として、一度くらいはその雄姿を博多の人々の前で披露してほしかった。その小さな背中から、ちぃずを初めとする「同世代の後輩達」に対して、何かを伝えてほしかった、という気持ちは今でも強い。
 とはいえ、現実問題として名古屋と栄の往復は時間も費用も体力も消費するので、継続が難しいのも仕方ない気はするし、花音が博多に完全移籍することが、彼女にとってプラスになるかと考えると、そうとも言い切れない。HKT推しにとっては、彼女が兼任していてくれた時期を、むしろ「運営が与えてくれた特別なファンサービス期間」だったと割り切るべきなのかもしれない。
 それにしても、かつては栄推しだった名古屋在住の私が、初めて彼女のパフォーマンスを目の前で楽しむことが出来たのが、HKTのガイシコンだったというのは、なんとも不思議な巡り合わせである。あの時目の当たりにさせられた彼女の圧倒的な存在感は、今でも忘れられない。私がこの世界に残っている限り、きっとまたどこかで、彼女の生パフォーマンスを体感出来る機会はあるだろう。それまでに彼女は果たしてどこまで成長しているのか、一人の48ファンとして、その時が訪れるのが今から楽しみでならない。

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